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KANATA WINERY(株式会社丸八)市内でライフライン事業を営む会社が、新規事業として立ち上げたワイナリーの伴走支援。デザイン公募で採択いただいたロゴマークを起点に、コンセプトごとのラベル制作、SNS内製化支援、ブランドガイドラインの制作までを行いました。
『この街をワインで豊かにしたい』。魚津には、富山湾の多様な魚介類、世界的にも珍しい「水循環」とその象徴・埋没林、100年以上続く果樹栽培の歴史、これらにより育まれた多様な食文化がありました。担い手不足で産地が縮小していくなか、ライフライン会社として地元の果樹産地を守りたいと考えていた社長。食のまち魚津のプライドを背負う、県職員出身の醸造長。その想いに共感し、集まってきた地域内外の専門家たち。魚津のポテンシャルを本気で信じるプレイヤー達により、ワイナリー構想委員会が立ち上がりました。
「お酒に合わせて食文化ができるのではない。私たちは、魚津の食文化に合わせてワインをつくっていきたい」。つくり手たちの信念ははっきりしていました。「この地域でワインブドウの栽培なんてできるわけがない」という周囲からの懸念や反対を押し切って選んだ挑戦でしたが、関係者が増えていくなかで、他の産地との違いや、このワイナリーならではの信念を一目で伝えるための顔がありませんでした。
たどり着いたモチーフは、「渦巻き」。魚津の食文化を表すキーワードである「水循環」「埋没林」「昆布締め」を抽象化しました。同時にこの渦巻きは、魚津の郷土料理とワインのマリアージュも表現。全体は、魚津の「U」を傾けたワイングラス。注がれたワインが波打つ形は、標高2,400mの山岳地帯から水深1,000mの海底まで、高低差3,400mがわずか約25kmに収まる、魚津特有の地形の断面図にもなっています。
ワイングラスが特異な魚津の地形を受け止め、そこで育まれた魚津ならではの食文化が世界中から愛されるようになる、そんな景色をシンボルマークに込めました。
公募により選んでいただいたロゴマークに続けて、フラッグシップ商品となるワインラベルの制作を行いました。和紙ベースの素材に、ブランドカラーの黒と金の箔押しのアクセントで統一し、品格を感じる佇まいや非日常感を演出しました。
制作と並行して、KANATA WINERYに関わる全ての人(従業員・協力事業者など)が統一したブランドの理解・維持・浸透ができるよう、ブランドガイドラインの作成を3ヶ月かけて行いました。ブランドを顧客に届けていくアイデアの羅針盤として機能することを目指しています。
ワインの種類やコンセプトが異なるワインラベルの制作も担当いたしました。乾杯を彩るスパークリングワインや、人にプレゼントしたくなる、気軽に飲めるワインなど、シーンに応じてデザインを制作しています。
UMI ROSEは水深1000mの富山湾の断面図。YAMA ROSEはワイナリーから望む立山連峰の山嶺。魚津のテロワールの象徴を、対となるモチーフにしました。
「気軽に飲めて、誰かにプレゼントしたくなる」がテーマのD.O.シリーズ。透明瓶の特性を活かし、ワインの色をダイレクトに反映させたデザインにしました。隠れモチーフがあるのですが、それは現地で直接、醸造長に聞いてみてください。
乾杯のワインとして、地元の人に親しまれる存在を目指すBuffalo Sparkling。乾杯にふさわしい華やかさと、派手になりすぎない印象とのバランスを計りました。
2023年10月、富山県東部で初のワイナリーとしてオープン。現在はワイナリーツアーや収穫祭、ペアリングディナー、ワイン講座など多様なイベントを開催。単にワインを購入するだけでなく、魚津を体験する場所として広がりはじめています。取り扱いは富山・石川から東京・愛知・大阪まで広がり、東京・上野マルイでの出張販売や成田空港でも売られています。
“何度も何度もディスカッションを重ねた”
「県内一の歴史がある果樹の産地を残す一助となりたい」「天神の地域財産を守りたい」との思いからスタートした事業でした。
しかし、「ワイン造りを通して実際に何ができるのだろう」という漠然とした不安も片隅に抱えながら計画を進めていました。そんな中、ロゴデザインを公募・採用させていただいた際に、「ロゴを起点にブランディングをしませんか?」とご提案をいただきました。
そこから何度も何度もディスカッションを重ねました(時には「もう勘弁してくれ!」と思ったこともありました…笑)。その対話を通じて、私達の想いがどんどん言葉になり、形になってブランドガイドラインが出来上がりました。そうして「この街をワインで豊かにしたい」という想いを胸にスタートを切ることができました。
オープンから3年が経ちましたが、特にコンセプト別のラベルは非常に好評です。「どんなシーンにこのワインがあると素敵か?」と想像する楽しみがあると、声を掛けて頂く機会が多いです。
今後も新たな構想や新シリーズをリリースする時には、共に夢を語り実現に向けて、また伴走支援していただきたく宜しくお願いします。
“KANATA WINERYの「顔」として定着している”
私自身、ブランドガイドラインを制作するにあたり、自分の中にあるさまざまな思いや心の声的なものなどをさらけ出し、それらを整理していったことで、改めて魚津らしいワインを造る、地元の食をより豊かにできる地酒としてのワインを造るという思いが強まりました。
このブランドガイドラインは、スタッフの共通認識として定着し、日常の接客やイベント、見学ツアーでの説明等においても踏襲されており、その思いは製造現場にもつながっています。また、ラベルも、販売ライン・シリーズに合わせ、統一感があり、お客様にはカッコ良さや魚津らしさ、遊び心なども感じていただけていると思っています。
そして、まさに「顔」としてのロゴマークは、ワイナリー玄関横にも掲示しており、来場されるお客様の写真スポットとなっています。最近は、特に求められない限りロゴについての説明はしていませんが、お客様にとっては、KANATA WINERYの「顔」として定着している印象です。こうしたこと、一つ一つがKANATA WINERYの歴史を形づくり、彩っていくと思っていますし、そうした中で、KANATA WINERYの真のアイデンティティが形成されていくとも感じています。
1000年、2000年と続くワイナリーへの道を歩み始めたばかりですが、その初期にいろいろサポートいただき、道筋を照らしていただけたことに大変感謝しております。ありがとうございます。
「事業の見せ方に悩んでて…」「うちって結局何の会社?」「採用に困っている」「ロゴやブランドづくりが必要で」「組織の一体感がなくなってきている」「受注率上げたい」など…
お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。